公共施設に設置


東日本大震災が発生した際、避難所として指定されている学校や体育館施設などといった公共施設の防災整備が行き届いていない実態が浮き彫りとなりました。被害の大きい地域では、電力不足だけでなく水不足や栄養失調といった事案も発生していたようです。

そうした状況の中で、2012年よりスタートした固定価格買取制度の後押しも有り、地域の小中学校や公共施設に太陽光発電システムを導入するという試みを開始した自治体が多く見受けられるようになりました。
公共施設は避難所としても機能するよう丈夫に作られている上に十分な面積を有している場合が多く、太陽光発電システムを設置するのに非常に適していると言えるでしょう。

防災性能の向上という目的以外にも、子どもたちへの環境教育や地域への啓発でも大きな効果を発揮することから、今後のさらなる普及拡大が予測されています。

公共施設に設置するメリット

災害に強い施設作り

大規模な災害時の避難所として指定されている学校や公民館などの公共施設は、高い防災性能を備えておかなければなりません。特に電気・ガス・水道といったインフラ設備の供給に関しては、シビアに検討する必要があります。

公共施設に太陽光発電システムを導入することによって、災害時の非常用電源として大きな効果を発揮することが期待出来るでしょう。 ただし、太陽光発電システムは太陽の昇っている時間帯にしか発電出来ませんので、より強固な電力供給源として活用するためには太陽光発電システムと同時に蓄電池を導入しなければなりません。

これにより、日中は太陽光発電システムで発電した電力を、夜間は蓄電池の電力をというように、電気を24時間確保できるようになり、災害時の情報通信機器や最低限の照明の使用が可能となります。

環境教育、啓発の実教材として

温室効果ガスの排出が原因となって発生している地球温暖化やヒートアイランド現象、また近年の化石燃料の枯渇といった問題への対策が、世界的に大きな課題となっています。

太陽光発電システムは単なる発電システムとしてだけではなく、環境教育の実教材としても効果を発揮すると言えるでしょう。

学校などの公共施設に太陽光発電システムを導入することによって、環境活動がより身近にふれることになります。未来を担っている子どもたちの環境意識を高めることは、今後のエネルギー事情にも影響することが予測されます。

さらに、一人一人のエコへの意識を高めることによって、施設内のエネルギー使用量の軽減に繋がるといった副次的効果も見込めます。

遮熱板として機能、空調不可の軽減に

公共施設の多くは、耐震性の向上を図るためコンクリートや鉄骨を使用した堅牢な造りとなっています。そのため、夏場は熱が逃げにくく、屋上に近い階層では屋根温度の上昇に伴って室内の温度も上昇しがちといった問題が見受けられます。

太陽光パネルには発電装置としての機能に加えて、遮熱板としても機能することが報告されています。屋上に直接太陽光があたらなくなることで屋根面の温度が下がり、室内温度の上昇防止、空調不可の軽減といった効果を発揮します。

新エネルギー財団のデータによると、設置前と設置後では野地板の表面温度に10.92℃の違いがあり、夏は涼しく、冬は暖かくなることが判明しています。

太陽光発電導入による遮熱効果
(参考:一般財団法人 新エネルギー財団)

また、屋根材を劣化させる紫外線や、宇宙からの放射線、酸性雨といった原因からの直接的なダメージを防ぐことによって、屋根の劣化を遅らせる効果も期待出来るようです。

全国的に活発化している屋根貸し事業

学校

昨年より、全国の自治体が電力確保や環境教育、地域防災等を目的として、地域の小中学校の屋根を貸し出すという「屋根貸し事業」が活発化しています。

「屋根貸し事業」とは、自治体が発電事業を行う事業者に対して屋根を貸し出し、事業者は売電収入から屋根の賃借料を支払うというもの。

事業を行うにあたって自治体はプロポーザル方式による公募を行い、自治体が提示する条件に応じて企画提案し、もっとも条件に沿う提案を行った事業者を選出します。

屋根貸し事業を行うことで、自治体は非常用電源として活用できる太陽光発電システムを実質無料で設置することができ、また事業者は売電収入を得られるというメリットが生まれることから、次世代のビジネスモデルとして注目を集めています。