太陽光発電ニュース

2013年01月24日

ソーラー活況いつまで 発電適地に企業殺到

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 太陽光発電市場が沸き立っている。再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の昨年7月開始を機に、日照量に恵まれた九州では、大規模発電所の建設が相次ぐ。用地価格は上昇、関連装置の売り上げも右肩上がりだ。ただ、買い取り価格の引き下げを懸念、警戒する動きも。「ゴールドラッシュ」ならぬ「ソーラーラッシュ」はいつまで続くのか。最前線を追った。

 福岡県苅田町にある白石工業団地の一角。借り手もなく雑草が生い茂る県有地3万6千平方メートルが昨年11月、企業の熱い視線を集めた。

 県が大規模太陽光発電所(メガソーラー)向け用地として貸し出しを決めたところ応募が殺到。最低価格とした1平方メートルあたり年150円の賃貸料は入札の結果、270円に跳ね上がった。国際航業や安川電機などの企業連合が落札、出力約2千キロワットの発電所建設計画を進める。

 再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が全量、固定価格で買い取る制度が始まってから約半年。太陽光による電力であれば、2012年度適用分は1キロワット時42円の買い取り価格が、今後20年間保証される。このため日照量が豊富な九州では、太陽光発電所の建設計画が目白押しだ。

 制度適用が認定された件数(出力10キロワット以上)は福岡県と大分県がそれぞれ全国1位と2位。出力では鹿児島県など九州勢が2~4位を占める。

 さらに「適地を見つけ出し、仲介する業者も増えてきた」と、太陽光発電のコンサルティングを手掛ける資源総合システム(東京・中央)の松川洋上席研究員は明かす。

 福岡市の金融関連会社によると制度導入後、九州の候補地では1坪(約3.3平方メートル)あたり1000円以下の地価が4、5倍に跳ね上がった例も。日照量に恵まれる宮崎県では「県内には工場跡地など遊休地が50カ所程度ある。今後、利用が進むのではないか」(日本不動産研究所の宮崎支所)と進出ラッシュを期待する声も聞かれる。

 企業を駆り立てるのは買い取り価格の高さだ。

 価格算定にあたり経済産業省は、想定する投資に対する将来の収益性を示す内部収益率(IRR)を税引き前で約6%と試算したが、「かなり上回るケースが多い」(資源総合システム)。九州6カ所でメガソーラーを運営・計画する芝浦グループホールディングス(北九州市)は「IRRは10%を上回る」(新地哲己会長)と明かす。

 経産省が見誤ったのは2年間で半値となった太陽光発電パネルの価格。利益率が押し上げられ「『バスに乗り遅れるな』とのムードが広がった」(九州経済調査協会)。

 国内のパネルメーカーは価格下落で採算悪化に苦しむが、価格競争を主導する世界最大手、サンテックパワーなど中国勢は活況に沸く。サンテックが佐賀県鳥栖市に置く物流拠点では「連日ひっきりなしにパネルが出入りしている」(同社の日本法人)という。

 発電に不可欠な電子機器や装置も恩恵に浴す。

 太陽光パネルでつくる「直流」の電力を送電線を流れる「交流」に変換するパワーコンディショナーを手掛ける安川電機。足元の月間生産台数は3千台と、4カ月前に比べて10倍に膨らんだ。

 太陽光パネルを据え付ける架台の大手、日創プロニティも工場を拡張し増産に走る。矢野経済研究所(東京・中野)によると、太陽光発電設備用架台の市場規模は16年度に842億円と、12年度見通しに比べて73%増える見込みだ。

 過熱する太陽光発電。しかし、買い取り価格は毎年見直される。茂木敏充経産相が13年度適用分では「30円台後半に引き下げることができる」との見解を示すなど、引き下げの可能性が高まる。年度末まで駆け込み申請が勢いを増しそうだ。

(記事:日本経済新聞)